KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年9月号
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た。「こんな古ぼけた建物…」と言う人もいましたが、石造りで趣があり、私は大好きでした。元々は銀行の建物でしたので1階には経理出納部門があり、らせん階段を上がっていくと、そこに休憩室やロッカールームがありました。―あの歴史的建造物が!?冨士 当時はまだ価値がほとんど認識されていなかったのだ文化の発信拠点でもある旧居留地の代表格 大丸神戸店異国情緒にあふれる石造りの建物が並ぶと思います。今から思えば本当に贅沢な話ですね。歴史的建造物も活用し、元町界わいが一体となって発展―現在は活用され、旧居留地一帯は人気スポットになっていますね。冨士 その後、旧居留地の美しい建物や老舗店が並ぶ元町商店街など価値ある含み資産をもっていながら活用されていないということに気づき始めます。そこで、大丸神戸店も含め、地域全体で盛り上げていこうという考え方に変わってきました。―建造物の活用には大丸が大きな役割を果たすことになるのですね。冨士 1980年代半ばを過ぎたころ、ビルオーナーさんから「1階部分だけでも何かに活用できないか」と大丸へお話を頂きました。すると、欧州のラグ31

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