KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年9月号
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かな書道の第一人者書家・安東 聖せいくう空 神戸に、人々を幸福にするためにと本気で働いている書家の友人がいる。その作品は静かで深く、優しくて英知に満ちあふれ、書の現れは幼き子からお年寄りまで年齢や境遇を超えたさまざまな人々を惹きつける。 神戸はすぐれた書家の多い街でもある。その大きな原点は、現代かな書道のパイオニア、安東聖空だ。明治26年(1893)に兵庫県赤穂郡船坂村(現在の上郡町)で生誕。姫路師範学校を卒業後小学校の先生となったが、同僚の勧めで大正6年(1917)、齢26にして書の道へ。晩学であったが、近藤雪竹のもとで漢字を学びつつ、熱心にかな文字を研究する。やがて神戸市臨時教員養成所書道教師を経て大正11年(1922)、第一神戸高等女学校(県一)の習字科担当教諭に。安東が指導した県一生の字はひときわ美しく、「県一流」と高く評された。 大正14年(1925)には教員養成所時代の教え子のくわだ桑田笹ささふね舟らと「正筆会」を結成し会長に。この会には県一やその流れを汲む神戸高校関係者が多いという。昭和4年(1929)にはかな書道研究誌『かなとうた』を発刊する。 しかし、当時かな書道はマイナーで、当時の書壇の重鎮、丹羽海かいかく鶴から「君が神戸のかな書きか」というひと言を浴びたそうだ。安東はその言葉に発憤、連載 神戸秘話 ⑨瀬戸本 淳(せともと じゅん)株式会社瀬戸本淳建築研究室 代表取締役1947年、神戸生まれ。一級建築士・APECアーキテクト。神戸大学工学部建築学科卒業後、1977年に瀬戸本淳建築研究室を開設。以来、住まいを中心に、世良美術館・月光園鴻朧館など、様々な建築を手がけている。神戸市建築文化賞、兵庫県さわやか街づくり賞、神戸市文化活動功労賞、兵庫県まちづくり功労表彰、姫路市都市景観賞、西宮市都市景観賞、国土交通大臣表彰などを受賞文・瀬戸本 淳 (建築家)14
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