KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年8月号
40/55

株式会社マキシンモディスト、ハットデザイナー&モードアドバイザー大平 千鶴子さん神戸エレガンスを彩る婦人帽子の他、オリンピック日本代表や万博の日本館、航空会社の客室乗務員の制帽製作などを手掛けてきた日本を代表するハットブランド・マキシン。トアロード本店の三階にある工房では職人たちが手作業で一つひとつ帽子を作っています。帽子のデザイン・製作を行う大平さんは世界的なハットコンテストで受賞経験もある個性派です。まごころをこめて 大平さんのような「モディスト」は、まずデザインから帽子を生み出すため、より個性的なデザインが多い。たとえば見たこともない素材で作られた帽子。大平さん独自の感性で型をとられた、帽体の微妙なラインの遊びが、女性の顔をより美しく見せる。 青森県出身、東京の杉野ドレスメーカー学院の教室で、ハリウッドの映画雑誌でしか目にしなかったような美しい帽子を見て、専門課程で帽子づくりを学ぶことを決意。エリザベス女王が来日した際に行われたパレードを間近で見た時は、女王陛下がかぶられた、小花で埋め尽くされている帽子の美しさに目を奪われた。東京では、皇室の帽子を手がける工房につとめ、皇室のオーダーとコレクション用の帽子作りを手がけていた。縁あって神戸のマキシンへ。 フランスのハットフェスティバルで2009年入選した作品『宇宙』は、京都から比叡山に向かうバスの中で見た、山水画のような風景を帽子にした。作品づくりにおいては、写真ではなく自身のトアロードのショップの上階にある工房にて。多くの職人たちが手作業で帽子を作っている頭の形は一人ひとりちがう。頭の前後が長い方が既存の帽子をきつく感じて“頭が大きい”と思い込んでいることも。ぜひ頭のサイズを測って合う帽子を探してほしいフランスのハットコンテストで2010年グランプリ受賞「アニヴァーサリー」神戸のクラフトマンたち40

元のページ 

page 40

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です