KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年8月号
28/55

では既に65歳以上の人口が全体の約25%を占めています。  2060年には約40%にも及ぶといわれる超高齢化社会です。現在、約10万人の方が家族の介護のために仕事を辞めざるを得ない状況になっているとも聞いています。この日本の喫緊の問題解決のため三者で協力できるということは、私たちにとっても非常に有意義なことだと考えています。具体的な連携事項のひとつは、アルツハイマー病の臨床研究を進めることです。2016年、先端医療振興財団との協力の下、アルツハイマー病のファーストインヒューマン試験(ヒトに初めて試験薬を投与する臨床試験)を実現し、グローバルレベルの新薬開発に貢献しています。久元 神戸には経験豊かな認知症専門医と、臨床試験参加希望者とのネットワーク(KOBEもの忘れネットワーク)があります。2017年5月現在で、参加を希望される方が61人登録されています。このようなネットワークが新薬開発の促進につながるものだと考えています。ジョンソン 二つ目の連携事項が教育・啓発活動の推進です。医療関係者だけでなく一般の人たちにも認知症について理解を深めていただくために、神戸市と一緒に啓発ビデオの制作を進めています。 さらに、認知症専門家同士のグローバルな交流を推進しています。2017年4月には、神戸の姉妹都市であるバルセロナから認知症専門家を招き、早期診断や治療、コミュニティーぐるみの取り組みについてお話を聞いたり、神戸での研究発表をしたり、交流を深めました。 また三者のネットワークを活用して、神戸における認知症の研究、啓発・教育に関しての情「研究開発こそ企業の魂」。創薬にこだわり、まだ有効な薬剤が開発されていない分野での研究開発を行う28

元のページ 

page 28

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です