KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年8月号
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状と対策、また日本イーライリリーとの協力関係についてお話しください。久元 超高齢社会である日本全体にとって非常に重要な課題である認知症対策において、医療産業都市を展開する神戸市はぜひとも先端をいきたいと考えています。現在神戸市では、高齢者全体の約11%に当たる約4万7千人が認知症を発症しています。症状を改善、あるいは進行を遅らせ、また早期に介入して認知症予防をしっかり行っていこうとしています。 初期段階での集中的な支援のためにドクター、看護師、介護の専門職のチームが、地域包括支援センターから相談を受けて、高齢者の自宅を訪問し、認知症の早期診断や、必要に応じて介護サービスにつないでいく役割を担っています。ひとつの区から始まったこの取り組みを次第に拡大し、2017度は全区にチーム配置を予定しています。 また、2016年度、認知症疾患医療センターを5施設に増やし、専門医が対応できる体制を整え始めています。さらに認知症の高齢者を地域全体で見守る仕組みを整える必要があります。協力いただける方に対して認知症の方の行方不明情報をメールで一斉配信し、早期発見につなげようとしています。そんな中、2016年3月、日本イーライリリーと神戸市、先端医療振興財団の三者で、認知症にやさしいまちづくり推進のための協定を結びました。ジョンソン 私たちはこの協定により、日本の認知症対策の最前線に立ち、他都市のモデルになりたいと考えています。日本パトリック ジョンソン(Patrik Jonsson)日本イーライリリー株式会社 代表取締役社長スウェーデン生まれ。1990年にスウェーデン ルンド大学 経営学修士号(MBA)取得後、イーライリリー・スウェーデン入社。2001年、同社 社長。2005年、イーライリリー・スカンジナビア(スウェーデン・ノルウェー・デンマーク) 社長。2012年、イーライリリー・イタリア 社長(イタリアを含む中央・南東ヨーロッパ区域を統括)。2014年より日本イーライリリー株式会社 代表執行役社長就任。2015年、内閣府が主導する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」のメンバーに加わり、女性の活躍推進に積極的に取り組む。2016年より同社代表取締役社長27

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