KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年7月号
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村山の邸宅敷地内で公開される古美術コレクション香雪美術館 朝日新聞創業者である村山龍平(1850-1933)は、明治33年(1900)、御影郡家の地に約一万坪の土地を購入し、邸宅を構えた。そこはのちに多くの財界人が移り住み、「日本一の長者村」となる地だが、当時は六甲山麓にある原野のような土地だったという。それまで大阪の高麗橋に住まっていた村山は、その環境の良さに目をつけた。のちに一般的になる「都市部で働いて、郊外で暮らす」という考えをいち早く実践したのである。 朝日新聞を創刊し、上野理一とともに発展に寄与した村山は、一方で、仏教美術、絵画、茶道具など日本・東洋の古美術を収集。当初は、刀剣や武具を好んで集めていた村山が、廃仏棄釈によって仏像など貴重な美術が海外にも流出をはじめた村山の雅号より命名された「香雪美術館」常務理事 館長内海 紀雄26

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