KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年7月号
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梅雨も終わり、六甲山では蛍追う頃となりました。神戸異人館通りの夏の陽ざし、アンティークの家具の優しいフォルムに目をうばわれます。この度ご紹介させて頂くのは、セクレタリーチェスト、その名の通り、秘書の様に全ての大切な書類を保管し、管理する為のデスクにもなるチェストです。1860年代にフランスで作られましたセクレタリーチェストなのです。当時は、華やかな社交界で忙しくしている貴婦人達には大切にされたデスクなのです。優しいローズウッドの素材の中に、パールの母貝であり、貴族達の間で大変貴重な物といわれたマザーオブパールの細やかな象嵌引き出しの部分にも細やかな象嵌表面の細やかな枠をマザーオブパールと金属で表したリボン模様が施されています。また、内部の凹みの部分はバーズアイメープルといわれる鳥の目の模様の木材が中に見られ、引き出しには贅沢なエボニー、ローズウッド、マホガニー等の象嵌がされています。“特別なもの”との出会いベール・ド・フージェールの家具佐藤 よし子(さとう よしこ)1988年、日本初の英国式フィニッシングスクール『ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール』を神戸にて開校。ハウスキーピングやテーブルセッティング、マナーについて指導。『ダウントンアビー』の世界などをレクチャー。NHKテレビ『美の壺』、『グレーテルのかまど』、雑誌『家庭画報』、『婦人画報』など各種メディアにて活躍中佐藤よし子がご紹介する今月の逸品 ⑫10

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