KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年6月号
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和感はありませんね。小松原 そうですね。ずっと関西学院がやってこられたことを共学になったからといって変えたり、やめたりしなかったことが保護者にとっては良かったのでしょうね。男子からの人気も相変わらず高いです。関西学院中高出身のお父さん方が、娘も同じように中高時代を関西学院で過ごさせたいという希望をもっておられるようです。安田 娘さんをもつ卒業生には喜んでいただきました(笑)。関西学院は男子校でもバンカライメージではなく、しなやかに逞しくというのがモットーですから、すんなり女子も馴染めたのではないかと思います。社会に出ても生涯役立つ学びの姿勢を身に付ける小松原 関西学院中学部の基本的な教育方針は。安田 本校は受験校ではありませんので、社会に出て通用する人材を育てることを目指しています。まずキリスト教精神に基づき、中学部では何があっても毎日20分間の礼拝を欠かすことはなく、週1回は聖書の時間をとります。大きな特徴は読書の授業です。聖書の言葉「真理はあなたたちを自由にする」に沿って、社会に出てから役に立つ学び方「問う・調べる・伝える」を身に付ける時間です。中学の図書館だけでも約6万冊の蔵書があり、生徒たちからの要望にもすぐに応えるようにしています。総仕上げとして、3年生11月の長崎を中心とする修学旅行をテーマにして、1万字超のレポートを提出します。長崎では被爆者の方と街を巡りながらお話を聞きます。生徒たちは真剣に耳を傾け、被爆者の思いを受け継げる人間になってほしいという思いをしっかり受け止めてくれています。3年生の終わり、一人ひとりがレポートの内容をプレゼンテーションします。プレゼン力はこれからの社会でなくてはならないものだと考えています。小松原 今の子どもたちは何でもインターネットで調べて終わりにする傾向があります。本で調べたり、書物を真剣に読んでまとめたりする力を中学生で身に付けておくことは大切だと思います。そして関西学院といえば、生きた英語教育ですね。安田 週6時間を英語の授業に充て、ネイティブ教員3名と日本人教員とがチームを組み、受験勉強にとどまらず、使える英語が身に付くように工夫を小松原 健裕(こまつばら たけひろ)株式会社 日能研関西 代表甲陽学院高校、慶応義塾大学と中高大を私学で学ぶ。同大学法学部卒業後、日本IBMに入社。主に金融機関システムの提案に携わる。事業承継のため日能研関西に入社。授業担当科目は算数。京都本部長、副代表を経て、代表に就任。日能研関西本部業務全般に加え、日能研グループとの連携、私学教育の振興にも携わる47

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