KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年6月号
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に、たくさん造られた建物の代表的なひとつが関学です。赤い瓦屋根、クリーム色の壁、キリスト教の教えを表すミッションスタイルは関西学院の誇りで、それ以後の新しい建物でも崩すことなく守っています。男女共学になっても教育方針や内容は変わらず小松原 関西学院中学部が2012年、共学に至った理由は。安田 新設された初等部を卒業した女子を中学部が受け入れることになり、校舎や体育館を新設し、クラス数も4から6に増やしました。現在、女子生錬しなくてはいけない、という意味があります。小松原 スクールモットーとしている「Mastery for Service」の意味は。安田 第4代院長のベーツ先生が学生に提唱した言葉で、訳すと「奉仕のための練達」。隣人、社会、世界に仕えるために自らを鍛えるという意味で、小中高大共通のスクールモットーになっています。小松原 ヴォーリズ設計の素晴らしい校舎は、生徒たちが本物に触れる機会になっていますね。安田 ベーツ院長と時期を同じくして、ヴォーリズさんも日本に来られました。伝道活動と共安田 栄三(やすだ えいぞう)関西学院中学部 部長西宮生まれ。関西学院中学部・高等部・大学経済学部卒業。松陰中学校・高等学校で社会科教諭として勤務後、母校の関西学院中学部に移り、社会科教諭として勤務。長年にわたり野球部の顧問を務めるほか、生徒指導部長などを歴任。2006年から現職徒は全体の3割程度です。落ち着いてしっかり勉強する女子、クラス委員や生徒会、英語の弁論大会にも積極的に参加する女子の様子に男子も刺激を受けているようです。男女が尊重し合い生活することには学校内でも大きな意味があり、共学になって良かったと思っています。小松原 伝統的に男子校というイメージが強かったので、関西学院らしさが維持できるのかなという心配は個人的にちょっとありました。例えば、私の母校甲陽学院中学との伝統の甲関戦はどうなる?無人島キャンプに女子も行けるのかな?等々(笑)。安田 甲関戦は「もう無理かな」と思ったのですが、甲陽さんから「70年以上の伝統を絶やすわけにはいきません!」と言っていただき感激しました。キャンプについても心配の声もあったのですが、行ってみると女子も勢いあって元気で、へこたれない(笑)。いろいろな場面で関西学院が今までやってきたプログラムを女子が入ったからと緩めることはしていませんが、全く違46

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