KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年6月号
43/53

大手企業の接客指導など人財育成を行っておられます。 出産を機に一度は家庭に入ったのですが、縁あってトークイベントにお誘いいただき、モデル時代に培った技と、大手ホテル勤務時代に身につけた接客サービスのスキルとホスピタリティマインドを組み合わせたお話をしました。好評で依頼が相次ぎ、ビジネス社会や人間関係で必要とされるファッション、立ち居振る舞い、ウォーキング等も含め、トータルな力を磨く研修を展開するようになりました。─人材ではなく人財、事業組織にとっても、また働く人自身にとっても、“材”と“財”では大きく異なってきますね。人財となるために様々な力を磨かなければならないと思います。 グローバルなマナーが求められる時代だからこそ日本独時のマナーが必要と感じています。例えば、“察する文化”もそのひとつ。言葉のみならず、しぐさや空気を察し、相手の気持ちで考え、行動する。先を読み、どうされたら相手が嬉しく感じられ、満足されるかを考え「おもてなし」をすることが、日本のモノや地域に付加価値を生み出すと考えています。─マニュアル化されたマナーではできないことですね。その時々に応じて数歩先を読む技術やマインドを研修で身につけると。またビジネスパーソンに求められる素養のひとつに、心身ともに健やかであることがあげられます。毎日の健康管理も大切ですね。 ビジネスパーソンはもちろん高齢化時代を迎え、健康寿命をいかにのばすかが問われています。医療機関や厚生労働省は運動を推進していますが、今まで運動をしてこなかった人にとってなかなか実践しにくい。しかしながら特別な道具や場所がいらないウォーキングならば、個人の体力やライフスタイルに応じて実践・継続できる。最も身近な運動なんです。ウォーキングは正しい歩き方のフォームを身につけるとよりいっそう運動効果が高まります。そこで「日本姿勢と歩き方協会®」では知識の普及と指導者の育成を目指し、ウォーキングの技能検定を実施。検定に合格した指導者に全国各地で独自のイベントやセミナーを開催してもらうことで、ウォーキングの魅力や必要性、可能性をひろめていきたいと考えています。─日本における高齢化は最優先課題。平均寿命ではなく健康寿命の延伸のためにも、正しく、楽しく、歩くことの大切さが広まることを期待しています。伊藤 紀美子(いとう きみこ)田嶋株式会社 代表取締役社長神戸生まれ。95年より同社社長に就任。02~06年神商議女性会会長、07年から国際ビジネス委員長。16年、女性初で神戸商工会議所の副会頭に就任。田嶋株式会社/1899年、繊維を主体とした貿易商社としてスタート。会社創業110周年の2009年に美容&健康分野を新設。オリジナルブランドのスキンケア「PLUSUI(プラスイ)」を開発販売。同ブランドでナチュラルミネラルウオーターも販売43

元のページ 

page 43

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です