KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年6月号
37/53

にも喜ばれている。 養蜂の課題は「いかに近隣の理解を得るか?」。植物や花についての豊富な知識はもちろんだが、「農業指導員時代から培ってきた、人との信頼関係があるから街の中で養蜂ができている」と話す。10年以上前から、知り合いの農家の好意で敷地の一角に巣箱を置かせてもらっている蜂ほうじょう場を訪ねた。作業着に帽子だけという格好で、しかも素手でハチを扱っている。「私が完全防備で作業すると周囲の人たちに恐怖感を与えてしまいます。また扱いが雑になるので、ハチが苛立ち攻撃的な気性になります」。衣服の中に入ったり、肌にとまったりして人がパニックになるとミツバチもパニックになる。そういう時は、「落ち着いて石か木になれ」。蜂を知り尽くした春井さんの極意だ。 ヨーロッパで蜜蝋を作るために教会の庭で行われた養蜂は長い歴史をもつ。「ミツバチを飼うことが文化として根付いています。日本でも『Honeybees’ Garden』を実現したい」と、養蜂を身近なものにしようと街の真ん中で奮闘している。働き蜂より一回り大きな女王蜂。5色に分けられた印で誕生した年が識別できる採取されたハチミツは「HARUI HONEY」として販売六角形の巣を指で触ると、新鮮なハチミツがあふれ出す37

元のページ 

page 37

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です