KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年5月号
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いるのが素敵だなと。─まだ日本では有機に注目されていない時代ですものね。 私の料理教室の原点もそこで形づくられたと思います。加工されたものを買うのではなく、安心な地元食材を用いて、できるだけ自分で作りましょうと。フランスにいた頃は上の子が3歳、下の子を妊娠したばかりの頃だったので、カラダを作る食に関しては人一倍、気にかけていましたね。─帰国後、少人数向け料理教室をスタート。今では500人以上の生徒さんを教えておられるとか。Table d'orとはフランス語で金のテーブルを意味するんですね。 大切な人達と囲む食卓でのひとときが『黄金に輝く幸せな時間』でありますようにと願っています。目指したい味を覚えたい方にはデモンストレーションで、昨年より基礎から学びたい初心者さん対象の教室も開講しています。また今春からは新しく「講師養成クラス」も始めます。実は自宅で趣味を生かした技を教えるサロネーゼの養成には抵抗があったんです。サロンで利益を出し続けるのは大変なので(笑)。ただ自分も子育ての空き時間を利用してこの仕事をやってきた経緯があり、自宅で何かをしたいという方の気持ちもわかる。それならば継続して信用を築いていくためのノウハウをお教えしようと思いました。─子供を産んでも働き続けたい、自分の得意なことを人に伝えたいという女性が増えていますからね。 だからこそ私の料理教室では手間をかけず、を基本にしているんです。素材も地元のスーパーで買える食材が中心。それに淡路島や丹波篠山、鹿児島などできちんと作られたものを追加して簡単においしくて華やかで心浮き立つメニューを作る。食に関する仕事をしていることで、漂白していない砂糖やイワシの丸干しのオイル漬けなど、こだわりの生産者さんとつながりを持てるようになりました。これからもいい食材をどんどん利用して、肩の力をぬいた、大切な人のためのおもてなし料理を伝えていきたいと考えています。─成人病や子供のアレルギーが増えている今、「食事」は大切です。といって料理が負担になると食事の時間も楽しくないですよね。おいしくて、見た目も素晴らしく、しかも簡単につくれる三好さんのお料理レシピは作る人にとっても食べる人にとっても輝く幸せな時間をもたらすと思います。伊藤 紀美子(いとう きみこ)田嶋株式会社 代表取締役社長神戸生まれ。95年より同社社長に就任。02~06年神商議女性会会長、07年から国際ビジネス委員長。16年、女性初で神戸商工会議所の副会頭に就任。田嶋株式会社/1899年、繊維を主体とした貿易商社としてスタート。会社創業110周年の2009年に美容&健康分野を新設。オリジナルブランドのスキンケア「PLUSUI(プラスイ)」を開発販売。同ブランドでナチュラルミネラルウオーターも販売25

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