KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年3月号
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る技術へと結びついたのかもしれません。また、操船に長けていたため天文学にも強く、方角を確実に読み取ることができたそうで、伊勢神宮や出雲大社をはじめとしてずいぶん離れたところに伊弉諾神宮と所縁のあるお社を建てているのです。また、海が豊かであるためには、野山が豊かであることが必要だということもわかっていたようです。海人に関することからも、淡路島が古代の都にとってかなり重要な場所だったことは間違いありません。─淡路島日本遺産委員会では、今後どのような活動をおこなっていきますか。時枝 淡路島日本遺産委員会は淡路青年会議所が事務局を務め、島内三市、淡路県民局、淡路島くにうみ協会、淡路島観光協会と連携して2015年に結成されました。まずは2016年度に立ち上げたホームページの多言語化をおこなう予定です。案内板も不足していますので、増設して特に道案内を強化していきます。フェスティバルの開催も検討中です。─地域へはどのように貢献していきたいですか。時枝 淡路青年会議所としては日本遺産をひとつの切り口と考えています。淡路島全体の魅力や情報を積極的に発信していきたいですね。今の組織を生かしつつ、継続的に事業をおこなっていくことも重要です。2015年度には、外国人を対象として国生み神話の地を体感いただくツアーを行い、アンケートでその価値を計ったのですが、「十分見応えがある」「ストーリーをもっと知りたい」などの意見が多くありました。まずは日本のはじまりの地である淡路島にたくさんの方々に来ていただいて、伊弉諾神宮や沼島など日本遺産の文化財群を巡って、いつ来てもおいしい食べ物や温泉などご堪能いただき、「国生みの島・淡路」という唯一無二のストーリーを体感していただければと思います。五斗長垣内遺跡は、弥生時代後期の国内最大規模の鉄器製造群落遺跡でもある「菱環鈕2式」と呼ばれる、弥生時代前期の松帆銅鐸。手前は「舌」(南あわじ市蔵)くにうみ神話の舞台となる沼島31

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