KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年2月号
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冬のイルミネーションが美しい北野の坂道からの港の眺め、今年は神戸港開港150周年を迎え、冬の神戸も華やぎが感じられます。さて、そんな美しい北野にあるベール・ド・フージェールでこのたび見つけたのは、ダヴェンポートライティングデスク(小書台形書記用机)。1870年代頃のものです。素材はウォールナットで、歴史的には1700年代後期からあるライティングデスクです。一番最初に作られたのはダヴェンポート大佐の為のもので、そのデザインは大変特徴的で美しく、機能的な机なのです。また、ある意味、男性の大好きな様々な仕掛けがほどこされおり、男心を楽しくさせるようになっているのです。例えば細やかな細工によって仕上げられているこの商品の中の小引き出しを開けると、中にレバーがあり、そのレバーを引くと、トップのレター入れの部分が上がってくるという仕掛けになっています。また、サイドには4段の長引き出トップの葉書入れの部分のサイドについているボタンを押すと、蓋が開口できる小引き出しを開けレバーを引くと、トップのレター入れの部分が上がってくるしが付いています。18世紀に大変人気であり流行ったデスクの上にはレザーを貼ることもされており、書台の部分は角度を変える事が可能なのです。その横にはオリジナルのペン置きとインク壺も備わっています。この楽しく機能的なデスクは、1800年代の終わり頃まで作られ続けました。“特別なもの”との出会いベール・ド・フージェールの家具佐藤 よし子(さとう よしこ)1988年、日本初の英国式フィニッシングスクール『ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール』を神戸にて開校。ハウスキーピングやテーブルセッティング、マナーについて指導。『ダウントンアビー』の世界などをレクチャー。NHKテレビ『美の壺』、『グレーテルのかまど』、雑誌『家庭画報』、『婦人画報』など各種メディアにて活躍中佐藤よし子がご紹介する今月の逸品 ⑦8
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