KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年2月号
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で式を挙げることは、とても大切ですよね。東京に一極集中してしまいがちですが、その土地の優れた景色が若い皆さんの誇りになって、ここで式ができるという喜びにつながることはとても良いことだと思います。―桂さんは50年、玉岡さんは作家生活30周年を迎えられたそうですが、今後の活動はいかがですか。桂 私は52年前に海外留学をし、当時は東洋人ということで人種差別も味わいましたが、50年たつと時代がまったく変わりました。先日、中国の蘇州に行きましたが、蘇州はもともと刺繍がさかんなところでしたが、現在ではウエディングドレスの生産がさかんです。蘇州市がビルを整備して、とても安い家賃で約600社のドレスメーカーが集まっているエリアがあるんです。中国はヨーロッパのドレスの下請けをしていましたから、その技術や、マーケティングも学んでいます。中国は人口が多いですから、その分婚姻率も高い。婚姻率に関しては、日本では下がる一方ですのでとても残念です。ぜひ神戸では、婚姻率が上がるように、工夫をしていただきたいですね。玉岡 私は、小説の中で「日本人の誇り」というものを書いていきたいと思います。今はアジアの国々に抜かれつつあるかもしれませんが、なぜこんな小さな島国が大きな経済成長をとげたのか。とりわけ、ものづくりに関しては、日本は世界に類を見ない技術をもっています。そういった日本人の精神に誇りをもっていただける小説を書いていきたい。神戸は開港150周年を迎えましたが、桂先生のように、戦争や困難を乗り越えた先人たちに学ぶことは、私たちにとって大切だと思います。先生にはぜひ今後も輝いていただき、私もそれを追いかけていきたいです。平成28年12月12日、エスタシオン・デ・神戸にて神戸ウエディング会議の特別顧問・桂さんと、桂さんをモデルにした小説『ウエディングドレス』著者で兵庫県出身の玉岡さんの対談が実現「婚姻率が上がるように工夫をしていただきたいですね」と桂さん。「先生には今後も輝いていただき、私も追いかけていきたいです」と玉岡さん43

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