KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年2月号
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いうこともありました。先生はまだお元気でいらっしゃいますので、“偉人伝”という形に押し込めたくなかったので、主人公は先生のお名前を少し変えて、その他フィクションを織り交ぜて、小説として書き上げたのです。着物は失ってはいけない日本の文化桂よく、なぜそんなにお元気なんですかと聞かれるのですが、仕事をしていたら病気になっているひまなんてなかったんですよ(笑)。毎年一月下旬にパリコレがあるのですが、今年は伊藤若冲をテーマに作品を発表します。パリはファッションのお店が群雄割拠する地ですから日本人にしかできない作品を紹介したいと、私はこれまで、越前和紙とのコラボで紙を漉くところからデザインする「和紙モード」を製作してきました。でも和紙のドレスは、展示はできても雨に濡れてしまったら終わりなので、5年前より友禅染めにチャレンジしようと、「YUMIYUZEN」と題し、友禅を現代的にアレンジした作品を発表しています。また、今年は伊藤若じゃくちゅう冲をテーマに30点製作していますが、ラストの一着は特に、川島織物さんにお願いして孔くじゃく雀の羽根を織り出したゴージャスな作品を製作中です。玉岡「パリコレに出す」って先生はサラッとおっしゃるけれど、あのパリコレで作品を発表するというのは、とても難しい制約がさまざまありますし、我々の想像を超えたすごいことなんですよ。桂昨年嬉しかったのは、リオデジャネイロオリンピックの閉会式に、雨の中、大変だったと思いますが、東京都の小池百合子知事がお着物を着ていらしたこと。そしてパラリンピックの閉会式には、鶴が描かれたYUMIYUZENのポンチョを着てくださったんですよ。玉岡桂先生は、ウエディングドレスを日本で広めたおかげで、日本の着物文化を衰退させたのではとバッシングを受けたりされましたが、いつも「私は日本人だから、着物を裏切るはずはないのよ」とおっしゃっています。川島織物さんは老舗のお店ですが、先生のお仕事をされることによって、日本を代表する仕事に携わることになる。それは、日『ウエディングドレス』玉岡かおる著幻冬舎1,600円(税別)39
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