KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年2月号
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名次山の頂上付近に石碑が建つ。かつてこの地に名次神社があったくらいの所要時間だ。書院造りを基本とした純和風の伝統木造建築で、ニテコ池を借景にした池には茶室も佇んでいた。高橋誠之助『神様の女房』によれば迎賓の場としても使用され、料理人が常駐し、泊まると翌朝にはスーツにアイロンがかけられ、靴もピカピカに磨かれていたそうだが、まるで旅館、いや、それ以上の居心地の良さだったに違いない。まさに神殿だ。 光雲荘だけでなく、幸之助は近くに名次庵を設けやがてそこで暮らすが、晩年もニテコ池を散策するなど、この地をとても気に入っていたようだ。松下幸之助が安住したこの地。ここで寛いで養った英気や、思い描いた構想が、神の境地へと導いたのかもしれない。賓客を迎える。妻むめのの姿も見える。写真提供/パナソニック広報部30

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