KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年2月号
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し、独特な神戸の街の息遣いや雰囲気がありましたね。―どうしたら取り戻せるのでしょうか。久元 神戸らしさとは、いろいろな要素が組み合わさってつくり上げられてきたのでしょうね。時代が変わっても、山があり、海には港があり、その間に成熟した街並みが発達し、北野異人館に代表される個性的な佇まいがある。この要素を大切にし、感じることができる街づくりをすることではないでしょうか。もちろんある程度は高層ビルも必要ですが、その中でも山と海と港を感じられるのが神戸らしさの原点だと思います。―神戸らしさを取り戻すべく、再整備がいよいよ始まりますね。久元 2015年、「神戸の都心の未来の姿」[将来ビジョン]と三宮周辺地区の「再整備基本構想」を発表しました。神戸の都心を心地よいデザインの街に再生し、豊かな文化を創造して発信すると同時に震災を経験した街としてしなやかで強いインフラをつくっていきます。都心全体ビジョンのうち、三宮周辺においては再整備基本構想でより明確に分かりやすく示しています。公共交通と歩行者を優先し、駅前にクロススクエアをつくります。6つの駅をひとつとしてイメージし、快適に乗り継ぎができるよう整備して賑わいと回遊性のある街にする計画です。―阪急三宮駅前では工事が始まっていますね。久元 構想は長期計画ですので、目に見えて大きく街並みが変わってきているわけではありません。そんな中、阪急さんにプロジェクトに着手いただいたことは非常にありがたいですね。今後、三宮の再開発が進んでいくという明るいニュースを、市民はじめ広く内外に発信していただき感謝しているところです。角 神戸は震災という悲惨な経験をし、前任の矢田立郎市長までは、復興に努め、財政再建を優先せざるを得なかったと思います。やっと文化や交通インフラを重視した街のプランを立てていただける時がきて非常に嬉しく思っています。神戸市の方針の中で民間事業者として貢献できることを積極的に進めさせていただきたいと思っています。賑わいと回遊性のある街づくり―賑わいと回遊性のある街とは。久元 震災後、阪急三宮駅と公共交通を利用しやすいクロススクエアをつくる16

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