KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年1月号

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冬の異人館は、その昔、11月末から新春までパーティが沢山催されました。新しい年、それぞれの館のドアを開けると、家の中は暖炉の薪の香りと良く手入れされた家具のワックスの香りがしました。英国でも神戸でも、時を重ねた家具たちは、いつまでも大切に使うためにワックスをかける事がたしなみとされました。ベール・ド・フージェールの店内は心地よいワックスの香りで溢れています。さて、この度は、私の大好きな時代様式「リージェンシースタイル」のピァキャビネットです。1870年頃に作られた英国製のキャビネットです。材質は、希少なローズウッド、バードアイメープル、エボニー等が使われています。大人っぽく甘すぎない様式の知的なキャビネットで、玄関ホールやお客様を迎えるお部屋に、置時計を飾ったり、鏡やネオクラッシック建築様式がみられるリージェンシー様式のデザインが知的な家具不死鳥や花瓶、アカンサスのデザインを中央に絵画と共にしつらえたりして使用します。素晴らしいローズウッドの寄せ木細工の中には、象牙で細やかな象嵌がされています。模様はアラベスクやスクロールのデザインを美しく絡めており、中央にはアーキュレイと呼ばれる、バロック時代にも好まれた神の顔をイメージしたデザインが施され、扉にはロゼッタ模様とコリント式柱がはめ込まれています。“特別なもの”との出会いベール・ド・フージェールの家具佐藤 よし子（さとう よしこ）1988年、日本初の英国式フィニッシングスクール『ザ・クイーンズ・フィニッシングスクール』を神戸にて開校。ハウスキーピングやテーブルセッティング、マナーについて指導。『ダウントンアビー』の世界などをレクチャー。NHKテレビ『美の壺』、『グレーテルのかまど』、雑誌『家庭画報』、『婦人画報』など各種メディアにて活躍中佐藤よし子がご紹介する今月の逸品 ⑥8

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