KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2017年1月号
35/52

り病院での職を探し始める可能性がありますので、人材を投入してよりマッチングできるようにしていこうと動いています。今後成果が出てくるでしょう。─医師会として災害への備えはどうしていますか。空地 昨年は熊本・大分をはじめ鳥取、和歌山南部、福島県沖などで大きな地震があり、大変危機感をもっております。熊本の地震の際には兵庫県医師会もJMAT兵庫として現地へ入り、医療や救援のコーディネートをお手伝いしましたが、その活動を検証して冊子にまとめました。日本医師会へフィードバックするとともに、問題点を踏まえて研修もおこなっていきたいと思います。一方で、山崎断層地震などわれわれ自身が被災したときにどうするかも重要です。各郡市区医師会と行動マニュアルなどを共有していくこともひとつの課題です。─空地会長はICTの活用にも積極的ですが。空地 兵庫県は広いですから、遠方の先生は委員会や理事会など県医師会の会議への出席が難しいのです。今もテレビ会議システムはありますが、拠点の医師会を結ぶものなので、診療所から会議に参加できる形を目指し、導入へ向けて進めています。研修会や勉強会も各地域や診療所へ配信し、双方向コミュニケーションで質問などもできるようにしたいですね。医療連携や医療・介護連携には、個人情報の問題など難しい課題も抱えていますが、国の方針でもありますので、基盤づくりに取り組み、ICTをさらに活用していきたいですね。─地域包括ケアシステムにおいても、県医師会の役割は大きいですね。空地 現場においては郡市区医師会が中心となることですが、県医師会としては多職種連携や在宅医療の基盤づくり、人材育成のバックアップを強化していきたいですね。一方、医療提供体制の整備は二次医療圏単位になりますが、郡市区単位の地域包括ケアシステムとの整合性をもって体制を整えていく必要があり、県医師会としてそういうところをしっかりと支援していかないといけません。ですから、郡市区医師会から出てくる問題を議論し解決への提案をおこなうシンクタンクを設けます。まずは地域医療構想と地域包括ケアがうまく動くような形を目指すことに特化し、将来的には他の課題にも取り組み、県民の安全安心に繋げていきたいと思います。シンクタンクには行政、大学教員などの識者、病院関係者、医師会関係者などのメンバーを想定しています。識者も医学関係だけでなく、介護、ICT、財政など幅広く募りたい。コアメンバーは出そろいましたので、年明け早々からはじめていきたいですね。35

元のページ 

page 35

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です