KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年12月号
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伝統的建造物群保存地区、景観計画区域に指定されている北野町 写真提供/神戸市教育委員会ンドや東南アジアなどを経て日本にたどり着いた経緯を感じさせる。技術的にもデザイン的にもその後の日本の建築に大きな影響を与え、私たちが何気なく使っている個室、居間、ダイニングなど目的を分けた住居プランニングも、わが国においてその嚆矢となったのは異人館という説もある。 スタンダードな異人館は、1階には階段のある玄関ホール、居間、応接室、食堂などの公的空間、2階には寝室を主とした個室を設けた私的空間を配し、それぞれにベランダがある開放的なスタイル。コーニスや煙突をあしらい、張り出し窓もまた異国情緒を醸し出す。 個人の住宅として建てられたので、その個性も豊か。ドイツ人建築家によって建てられた神戸のシンボル「風見鶏の館」(旧トーマス住宅)や、コロニアル様式の特徴が色濃く残る萌黄の館(旧シャープ住宅)など、現在もさまざまな建物にふれることができる。23

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