KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年11月号
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兵庫県医師会医政研究委員堀本医院 院長堀本 仁士 先生地域医療構想とは?─地域医療構想とはどのようなものですか。堀本 2025年にいわゆる団塊の世代が後期高齢者となりますが、その頃には少子高齢社会のピークを迎えることになります。その少子高齢社会のピークを乗り切るために、国が定めたガイドラインにしたがって2025年の医療需要を推計し、それに見合う医療供給体制を都道府県が主体となって決める医療構想が地域医療構想です。─今までの医療計画とどのような点が異なりますか。堀本 いずれ少子高齢化のピークを迎えるということがポイントです。少子化していますから、当然、将来には高齢者人口も減るわけです。つまり、当面は高齢者人口が増加するからといって、医療施設や介護施設をどんどんつくっていっても、少子高齢化のピークを過ぎればやがてそれらが不要なものとなってしまいます。そこで、今回の地域医療構想では新たに病床を増やしたりはせず、今ある病床の機能を転換することと、患者さんの居宅に医療や介護機能を持ち込む在宅医療・介護をより充実させることで乗り切ろうとしています。─具体的にどのように対応していくのでしょうか。堀本 例えば、高齢者が急病や怪我で入院しても治ったらすぐに退院せず、自宅に帰ってある程度自分で生活ができるように機能回復をするため、回復期というカテゴリーの病床を新たに設けます。その確保のため、少し過剰だといわれている急性期病床の一部を回復期病床に兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第六十六回42

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