KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年11月号
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い、一部分には残っていた建具を利用しています。焼け残った生活用品などを展示して当時の暮らしを再現しています。 私共をはじめ、それぞれ蔵元さんは長い歴史を地域の皆さんと共に歩んできました。個人として地域への愛着は深く、文化の応援者として何かやりたいという思いをもち、時代に応じた形で実行してきました。 私の父、白鷹四代の場合は、灘の酒にまつわる情報や背景にある文化を発信したいという意図をもって私財を投じ、この建物を造りました。直後に父は亡くなってしまいましたが、次の世代の者としてその思いを引き継ごうと試行錯誤しながら、さまざまな文化講座やイベントを開催しています。西宮の酒づくりと文化。二つを酒蔵から発信する 西宮は酒どころであると同時に、文化にもゆかりの深い土地柄です。二つのアイデンティティーを結びつける役割をしたいと考え、現在全12講座を開講しています。とはいえほとんど私の独断で決めているのですが(笑)。 近畿一円で能の舞台になった地を訪ねたり、世阿弥のゆかりの地を訪ねたり、阪神文学名作の舞台を歩いたり、小鼓教室等々、一般的な文化講座とはかなり趣向の違うものばかりです。もちろんお酒に関する講座もあります。契約農家さんにお伺いして酒米の田植えから稲刈り、酒蔵見学や座学も含め、1年を通じて日本酒を学んでいただく講座も、今年で13年目です。「レ白鷹禄水苑で公演される居囃子の会。11月12日には、「道成寺」をとり上げる戦前の造り酒屋の暮らしぶりを伝える「暮らしの展示室」江戸末期から昭和初期にいたる蔵元の生活道具を再現展示36

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