KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年10月号
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が(笑)。男子、女子それぞれの接し方、教え方は気遣いが必要ですね。林 特に性差がはっきりしてくる思春期の男女には心や体の面はもちろん、勉強の面でも違いが出てきます。この時期には男女別に教育を受けるほうが、伸びが大きいと言われています。共学校で教べんをとった私の経験から個人的に思うのは、共学校ではしんどい仕事、力の要る仕事は「男子がやる」と考える傾向にありますが、女子しかいないと自分たちでやるしかない(笑)。ジェンダーの枠組みにとらわれず、のびのびと力を付けているように思います。 自ら学び取り、社会に役立てる林 私の専門は英語ですので、スピーチやシナリオリーディングのコンテストなどでいろいろな学校の生徒さんを見る機会があります。完璧に暗記し、正しい発音だけれど「心」が入っていなければ、「よく練習できましたね」で終わってしまいますが、全身全霊で発表内容を表現している場合は、発音が完璧でなくても人の心を打ちます。学校での学習も同じです。自分が主体となり心から学び取ろうという姿勢をもち、さらに学び取ったものを教室の外へ出て社会参画というかたちで発展させていく力が、卒業後の社会での活躍につながるものです。小松原 神戸女学院中高で学び、大学受験で大きな成果を挙げ、卒業後も活躍している女性はたくさんいます。でも、決して進学実績を公表なさいませんね。林 本校では大学受験に特化した指導はしていませんし、偏差値に応じて受験する大学を絞り込ませることもしていません。もちろん進路指導はしますが、生徒たちは何がしたくて、そのためにどんなキャリアに就きたいかというしっかりとした考えをもっていますから、どんな道を選び、何を学ぶのかは本人次第。受験において私たちは伴走者としてサポートするというスタンスをとっています。合格するのはあくまでも本人の努力であって、学校の実績ではありません。生徒たちが、卒業後どんな人生を歩み、キリスト教精神に基づいて社会や他者に奉仕できるかを重視しています。小松原 日能研から神戸女学院中学部に進んだ子どもたちが、大学に進学して生き生きと小松原 健裕(こまつばら たけひろ)株式会社 日能研関西 代表甲陽学院高校、慶応義塾大学と中高大を私学で学ぶ。同大学法学部卒業後、日本IBMに入社。主に金融機関システムの提案に携わる。事業承継のため日能研関西に入社。授業担当科目は算数。京都本部長、副代表を経て、代表に就任。日能研関西本部業務全般に加え、日能研グループとの連携、私学教育の振興にも携わる41

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