KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年10月号
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くても、先輩の言うことなら素直に受け入れられるのだと思います。「4科目+体育」受験の意味小松原 神戸女学院の入試問題は全て難しいのですが、中でも国語は難問です。社会を含めた4科目に加え、体育があることは大きな特徴です。林 国語の入試問題はしっかり文章を読ませ論述させる問題が多いですが、これは読解力が全ての学問の基礎だという考えに基づくものです。暗記の多い社会は負担が大きいと思うのですが、女子の場合は社会一般に「愛神愛隣」と共に、「自由と自治」という言葉を大切に守ってきました。例えば本校では教員ではなく、ほとんど高2、高3生が呼びかけ、他の生徒が協力する形で規律が守られています。生徒たちは学年が進むにつれて、学院の伝統を継承する責任感をもつようになり、また下級生も憧れの上級生にならって規律を守らなくてはと思うようです。小松原 中1から高3までが一緒にいるという中高一貫校の良さが表れていますね。高3にもなると反抗期も通り過ぎ、落ち着いて指導できるのでしょうね。反抗期真っ只中にいる子どもたちは、先生の言うことは聞けな林 真理子(はやし まりこ)神戸女学院中学部・高等学部 部長神戸生まれ。神戸女学院の中学部・高等学部・大学 文学部英文学科卒業。2002年、アメリカのバーモント州にある大学院School for International Trainingで英語教授法のMA取得。神戸市立高等学校で英語科教諭として勤務後、母校の神戸女学院中学部・高等学部へ移り、英語科教諭として勤務。著書に、中公新書ラクレ・教えて!校長先生シリーズ「『才色兼備』が育つ神戸女学院の教え」(共著)ほか関する基本的知識をもって中学に入ってくると、その後学習の様々な面でよい影響があります。体育実技は120年以上続いており、「身体・精神・霊魂のバランスの取れた人格を形成する」という建学の精神に基づくものです。運動が得意かどうかではなく、苦手種目も最後まで全力で取り組む姿勢を重視しています。もちろんハンディをもっておられる子どもさんへの配慮も怠っていません。幼い受験生ですから、何かの科目で失敗しても気持ちを切り替えて挽回する余地を与えてあげることも大切だと思いますね。小松原 確かに、4科目の方が受験本番で力を発揮しやすいですね。女子は苦手を自分で決めつけてしまう傾向がありますが、実際はそんなことはないんです。ちょっと失敗しても、4科目とも点数は取れるとポジティブに考えて受験に臨めるようにもっていく工夫がいります。女子にやる気を出させるには、全員に満遍なく声をかけること。男子は声が掛からなければ「ラッキー!」と思うようです40

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