KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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 先日、分蜂を経験した。どこかから飛んで来たらしい。最初に見つけたのはカミさんである。駐車場にミツバチが沢山集まってきて傍らの植木に移ったようだ。呼ばれて行ってみるとミツバチが写真(上)のように密集していた。植木に移る前は直径1m位の球形になって空中に浮かんでいたという。まさかうちのミツバチ?と不安が過ったが、今巣箱を点検していた所であったのでそれは否定的であった。 この巣分かれした一群をどのように扱ったらいいのか全く分からなかったが、幸いその日は俵養蜂場の春井さんが一緒に作業をしてくれていたので、早速お願いした。すると春井さんはラグビーボールよりも大きなミツバチの塊の下に段ボール箱を持ってきて、植木を思い切り揺さぶった。するとミツバチの塊はドサッと箱の中に落ちたではないか。このミツバチの塊の中に女王蜂がもし入っていればミツバチは逃げないのだが、そんなことは分からない。しかし30分もするとミツバチはすっかり段ボール箱の中に落ち着いた。 一時間位経つと、春井さんはさっと段ボール箱をガムテープで密閉し、新しい巣箱の中に新入りのファミリーを迎え入れた。春井さんが丁度その場に居てくれたのはラッキーであった。また第一発見者がカミさんであったこともラッキーであった。何も知らない方に発見され、区役所か消防署に通報されていたら、この一群は消えていたかも知れない。 一般に管理されている女王蜂は、片羽根の一部をカットされ遠くまで飛べないようになっている。また女王蜂に青や黄色の印をつけ、点検時に見つけやすいようにするのが普通だが、後日点検したところ、この女王蜂は片羽根の一部カットも印もついていなかった。 巣分かれを初めて見たのは連載 ミツバチの話 ②分蜂(巣分かれ)について藤井内科クリニック 藤井 芳夫44

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