KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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の勉強会を開催。在宅での医療や介護に関わる様々な問題に関し、各領域のトピックスの紹介や事例毎の検討、意見交換を行った。回を重ねるごとに参加メンバーも増え、それぞれの職種の業務内容や考え方、視点、持っている情報などを共有することで、「くらしを支える医療を」という理念のもと職種や所属の壁を越えて理解交流が深まり、課題解決への意欲も高まってきた。医師会などとの連携で加速 翌2010年には垂水区医師会が中心となり、行政を加えた関係職種と共に「垂水在宅医療介護福祉連携委員会」を結成。その後この委員会とエナガの会は協働して関係職種のスキルアップ研修や、多職種でのグループワークによる具体的事例への対応強化、認知症ケアに携わる多職種の協働研修、在宅を担う薬剤師の養成研修協力などの事業を幅広く行っており、顔の見える連携と共に公的な仕組み作りにも反映させるための現場での多職種の意見を吸い上げる貴重な場となっている。演劇を通じてより理解を 活動が拡大するとともに、市民への発信という新たな課題が浮上してきた。これまでは市民フォーラムの中で従来型の講演を行っていたが、よりわかりやすく伝えるためにと生まれたアイデアが演劇だ。 役者はもちろん、舞台道具製作や照明などの裏方、台本も自らの手で。演劇初心者ばかりだが全くのボランティアで使命感に燃え、毎週稽古を繰り返した。配役は、基本的にメンバーがその職種それぞれの役割を演じる。 そうして生まれた初めての手作り劇が2013年2月の「裕次郎さんの退院─私たちが支えます」。演技指導を兼ねてお招きした長田区くじめ内科医院・久次米健市先生演じる「石ヶ原裕次郎」をモデルに、脳卒中で緊急入院した「裕次郎さん」が早期の退院を迫られるシーンから始まる。そこへ“私たちが支えます”と色々な人が現われてそれぞれの職種の役割を分かりやすく劇を通して伝9月22日の演劇に向けて、台詞合わせを行う。出席は医師や歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネージャー、訪問介護士などシナリオを書いたのは社会福祉士の木村和弘さん(左)参加者の意見をもとに台詞を変更していく37

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