KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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高齢化社会のくらしを考える垂水区から全国に広がる地域ケアの輪!2000年に介護保険制度が成立したものの、高齢者の「くらし」を支えながらの医療は問題が山積している。そんな中、垂水区での地域ケア・職種連携への取り組みが脚光を浴びている。そのきっかけをつくった医師・中村治正先生にお話を伺った。有志の集いからスタート 医療費削減の流れの中で早期退院が求められる昨今、在宅療養は地域の大きな課題になっている。2000年に介護保険制度が始まり地域包括ケアシステムの整備も進められているが、在宅医療をサポートするには地域で医療や介護・福祉などさまざまな専門家の連携が不可欠である。 垂水区で地域医療を支えるなかむらクリニック・中村治正先生は「紙切れ1枚の行き来だけになっていないか?関わるそれぞれの職種をお互いが理解し、繋がりをつくることで、より良い地域での支援体制を患者家族に提供できるのではないか」と、病院、クリニックの医師、看護師、歯科医師、薬剤師、ケアマネジャーなど10数名に声をかけ、2009年3月にスタートしたのが多職種連携の会、神戸西医療・介護地域ケアネットワークだ。通称は「エナガの会」。助け合って子育てや巣作りをおこなうことから「ヘルパーバード」ともよばれている野鳥、エナガに、皆が助け合う気持ちを重ね合わせている。 エナガの会は手始めに、毎月顔の見える医療連携を目的とした地域ケアネットワーク「エナガの会」中村 治正(なかむら はるまさ)1953年、長崎県生まれ。1994年、神戸市垂水区で妻(小児科)と共になかむらクリニックを開業。神戸西医療介護地域ケアネットワーク(エナガの会)代表、垂水区医師会副会長、神戸市医師会介護保険・在宅ケア委員会担当理事を務める。趣味は旅行とカメラ、“自称”動物カメラマン。最近はウガンダ・ルワンダのゴリラ、手塚治虫「火の鳥」のモデルになったコスタリカの鳥“ケツァール”などを撮影36

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