KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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のための新しい治療法や手術法へとつながりますので、「研究」に関して大学は重要な役割を担っています。 本学に限らず、研究をしない医師や教員が増え、日本中の大学が危機感をもっています。また、医師免許をもつ若い研究者が減っているのが現状です。医療技術や治療薬のほとんどを海外からの輸入に頼っているようでは、日本の医学の将来は非常に不安です。国益にも反するものです。本学では医学研究に力を入れ、多くの科学研究費を取得し、特にここ10年は私立医科大学ではトップクラスの研究力を誇っています。今後も教育、臨床とのバランスを取りながら進めたいと考えています。―他大学との連携は。野口 他大学と連携してがんのプロフェショナルを育成する「がんプロ」をはじめ、その他共同研究などを多数行っています。中でも本学の特徴として、同法人内の看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士を育成する兵庫医療大学と「チーム医療」をテーマに実質的な連携を取っています。実際の現場では、医師が多職種と一緒に働きコミュニケーションを取るのが当たり前ですから、学生の頃から経験しておこうというものです。 このような取り組みができる大学は他にはあまりないでしょうね。看護、リハビリ、薬学、そして本学医学部の4学部生がグループになり、チュートリアル形式で学習しています。看護学科4年生ともなれば実習も終え、国家試験目前でかなりの知識力がありますが、医学部3年生はまだまだ。教えられることも多く、非常に良い経験になっているようです。誰もが誇りに思える大学づくりを―新教育研究棟が来年完成しますが、建設のきっかけは。また、どのような施設ですか。野口 大学のさらなる教育研究施設の充実を図るために、平成29年度のオープンをめざして建設を進めています。 本学の学生は良医になる素質をもち、医師国家試験でも成果を挙げています。そのような学生たちが頑張っている様子を見るにつけ、「国家試験準備のために可能な限り環境を整えてあげたい」という思いがあり、最高のロケーションである12教育環境の充実のため、新しいラーニングスクエアの設置を予定しているより快適な学生生活のために、学生アメニティーエリアが充実34

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