KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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待しています。―1年生から多くの実習を行っていますが、その理由は。野口 1年生から自分で体や手を動かし、実際に患者さんに接する経験ですから得るもが多く、また経験から得た情報は頭に残りやすいものです。医師になるための動機づけになり、自分の実力がどの程度なのかを再認識して次の勉強につなげることもできるためです。―医師に必要なコミュニケーション力も実習で育成しているのですか。野口 ええ、実習では相当時間をかけています。「そんなものは自然に覚えるもの」と思われるかも知れませんが、今の学生は大学に入るまで受験勉強で忙しく、そのような機会が少ないと感じています。また、核家族で、高齢者と接するのは初めてという学生もいますからね。 新患で来られた患者さんの了解を得て、受付から診察、検査、再度診察、会計までほぼ一日学生が付いて回るエスコ―ト実習を取り入れています。学生の時から実習を行うことで、座学とは違う貴重な経験を積むことができます。 実習中、多くの学生たちが患者さんたちから話しかけられ、将来へ向けての激励を受けています。ありがたいことです。 他にも、情報収集の方法や論理的思考法、ディベートの方法、論理的な文章の書き方などをアカデミックリテラシーという科目で教育しています。基本的な項目ですが医学部でもきっちりと教えています。教育、研究、臨床のバランスが重要―研究機関としての大学の役割は。野口 大学は学問の場であると同時に、アカデミックな研究を通して新しいものを見つけ、社会に発信していく場でもあります。基礎医学はもちろん、臨床医学での研究成果が患者さん授業では、1年次から実習を多く取り入れているコミュニケーション力や基本知識の養成にも力を入れている入学後まもない時期に、早期臨床体験実習を行う実習経験から得た知識は、記憶に残りやすい33

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