KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年9月号
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日能研、灘中、それぞれの指導方針小松原 日能研は中学受験専門の進学塾ですが、最初から具体的な目標をもって頑張ろうと入って来る子ばかりではありません。ですから一方的に勉強を押し付けるのではなく、一人ひとりの様子を見ながら、長い目で見て指導しています。中学受験はあくまでも通過点であり、そこから始まる中高生活で、自分一人で勉強できる習慣を付けることを指導においての第一の目的としています。和田 本校にも日能研出身の生徒も多いですが、確かに中学に入ってから自分のスタイルを見毎年、文化祭にも来ていますが、「さすが灘の文化祭!」と感心します。和田 本校の文化祭はおもしろいですよ。生徒会主導で動いているのですが、昨年もある生徒が沖縄の修学旅行で戦時中の遺品を収集されている方にお会いして感動し、今年の文化祭のテーマにすると決めてきました。勝手にですよ!さあ大変です。初めて沖縄から出る貴重な品の数々を運んでくるのですから。それでも戦後70年に関する良い展示ができ、反響も良かったですね。関西一円の他の場所でも展示させてほしいと要請があり、本校生徒が作ったパネルごと貸し出しをしました。和田 孫博(わだ まごひろ)灘中学・高等学校 校長昭和27(1952)年、大阪市生まれ。1965年、灘中学校に入学。1971年、灘高等学校卒業。1976年、京都大学文学部文学科(英語英文学専攻)卒業。同年、母校に英語科教諭として就職。中学高校の野球部の監督・部長を務める。2006年、同校教頭に就任。2007年、同校校長に就任つけるのが早いかなと思いますね。小松原 今春は灘中受験者の約60%が合格しました。灘中全体の倍率が約3倍ですので、よく合格してくれました。私どもの教育方針が入学後に結果を出していると言っていただけるのは嬉しいですね。灘中を目指す男の子の様子を見ていると、頑張っている子を見て自分も頑張ろうと思うようです。「相手を蹴落としてまで」という雰囲気は全くなく、皆で受かろうという気持ちが強いと思います。和田 切磋琢磨ということでしょうね。柔道場でも一人だけ飛び抜けて強くても、それ以上は強くなれません。同じぐらいの強さの人がいて競い合えるわけですからね。そういう教育を日能研でしていただいているお陰でしょうか…、高校3年生で大学受験を見据えて勉強を始める頃、放課後の時間にお互いが教え合いながら伸びていっています。誰もが狭き門を目指すライバルであるにもかかわらずです。これは本校伝統のひとつだと思います。24
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