KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年8月号
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るためには中央市民病院と先端医療センターを巻き込んだアイセンターの設立が必須と考えられたのでしょう。─先端的な研究を実用化するにあたり、大切なことは何ですか。山本 医療の倫理や安全性の確保が最も重要だと思います。予定されていた2例目の網膜色素上皮移植では、iPS細胞に複数の遺伝子変異が見つかり、がん化の危険性を否定できず、移植が見送られました。1例目の移植の治療費は1億円で、患者の皮膚細胞をiPS細胞に変えて移植するまで10か月かかったそうです。自家移植の細胞シートは時間とコストがかかりすぎるので、今後は備蓄iPS細胞を使用した他家移植が行われるようです。備蓄した細胞であれば、コストも抑えられ、使用するまでに安全性を確認しやすいというメリットもあります。─アイセンター構想にはどのような課題がありますか。山本 アイセンターで治療を受けられる患者さんの中には、糖尿病や心臓疾患等の疾患を合併された方もいらっしゃいますので、眼科部門がアイセンターに移転しても中央市民病院の内科など他の診療科との連携を上手くとってほしいですね。また、高橋先生は、「アイセンターの病院は臨床研修施設ではないので、後期研修医(専門医を目指す若手医師)を受け入れることができない」とおっしゃっていました。早期に体制が整い、後期研修医の受け入れ可能となることが望まれます。そして、神戸アイセンターの病院の建設は、国家戦略特区プロジェクト(病床規制の特例に係る医療法の特例)として採用された、まさに国をあげての事業です。是非とも成功させてほしいですね。❶❷❸❹❺網膜再生治療研究開発プロジェクト理化学研究所(図2)46

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