KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年8月号
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ら、飛び込みで営業です。売れ残ったら捨てますが、勿体ないので先輩の売れ残りも引き取って、自転車で戎橋へ行き売りました。武道を教えていましたので、道場の仲間が空手着のまま応援に来てくれて。新聞紙を折って箱をつくり売っていましたが、お客さんもそれで何も言いません。良い時代でしたし、無茶な時代でしたね(笑)。困難が成長の糧─1966年に独立されますが、そのきっかけは。比屋根 1年間のうち3ヶ月間は暇をくださいというのが勤務先との契約でした。毎年7月から9月は東京などいろいろなところに武者修行に出て、自分なりに「こういう店にしたいな」と思い描き、それを勤務先に話をしました。でも、今すぐにはできないと断られ、自分でやるしかないと。もうひとつは、秋田でおこなわれた菓子博覧会で、大阪城の天守閣を50分の1サイズで製作したのです。確かな技術は衰えを知らない。多くのパティシエを育て上げたエーデルワイス/昭和41年(1966)創業29

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