KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年7月号
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竹内才次郎邸と藤谷荘園 竹内才次郎は薩摩の出身で、大阪土佐堀で大島紬を扱い財を成した実業家でした。竹内才次郎邸は貴族院議員だった娘婿のために建てられた洋館です。英国風の無骨な感じのデザインで、阪急の車窓からひときわ目を惹く建物でした。 竹内才次郎は洋館だけでなく、山側の敷地に和館を十数軒建てて、同郷の薩摩出身者を住まわせたのですね。ここにコミュニティを築こうとしていたのでしょう。この一角は「藤ふじがたにそうえん谷荘園」とよばれ、その南西角の入口に竹内氏が揮毫した銘板が掲げられていました。ここは桜の名所として知られ、近隣の人々を花見に招いたそうです。六甲山系の山並みと同化する芦屋山手の街並み竹内才次郎が開発した「藤谷荘園」の銘板42

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