KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年7月号
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 街の短所は必ずあり、それに目を向けないといけませんが、短所を強みに変えることを子どものように自由に考えることも重要です。 目に見えない価値に目を向けることも重要です。神戸は深い歴史のある街です。生田神社は201年に、神功皇后が海うながみのいさち上五十狭茅に稚わかひるめのみこと日女尊を祀らせたのがはじまりです。ちなみに、海上五十狭茅の97代目は僕の友達です。長田神社も海神社も201年の創建です。ということは、それ以前から神戸は文化があったはずです。 兵庫の真光寺は、一遍上人が亡くなられたところなんですね。一遍上人は連歌や能などに影響を与えた人物で、日本の文化の根底を築いたのではないかと思います。そう考えると、真光寺にはすごい意味があるのです。そういう物語から神戸のいろいろな文化が繋がっていくのですね。歴史とどう向き合うかは自由ですが、歴史を知ることは街の表情や表現を変える要素になります。 神戸は華道や書道、絵画など空間に連続性をもたせることで、遊び心をくすぐる日本の伝統的な空間づくりにも自身の創造力が生かされている34

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