KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年7月号
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楽しいことを貪欲に! 今春、49年ほど共に兄弟のように過ごした友人をなくしました。小林恒という建築家ですけれど、彼は自由奔放な、僕にとっては理想的なはちゃめちゃな人生だったのですが、彼の作品はすごく素晴らしいものでした。 彼は芦屋の大豪邸に住んでいましたが、土曜日になるとそのお屋敷で建築家や芸術家などいろいろな方々が来られて、食べたり飲んだり、しゃべったり踊ったりしたんです。芸術家の元永定正先生も来られていましたね。僕もそういう環境の中で過ごさせてもらい、とんでもないキャラクターの人たちと自由に話し合ったことでいろいろと学びました。 僕は高校の頃から絵を描き、今も描いていますが、建築の設計は、考えるときに手を動かすんですね。子どものように自由に線を描けるのは、考えていないからなんですよ。勝手に手が動くようにならないといけません。きっとそのパーティに来ていた人たちも、自由に手を動かしていたんだろうなと。 そして本当によく遊ぶし、よく飲むし、そういう雰囲気がそれぞれの人たちの内面の自信に繋がっていたと思います。僕も面白いと思うことに対してはわがままになりたい。そういうことが創造力を養うことに繋がるのです。 子どものように自由に生きている人は神戸にもいっぱいいますし、みんながそうなればいいの吹き抜け部分に、大胆にシャンデリアを配した32

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