KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年7月号
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もっと地域・県民との繋がりを─高齢化について、医師会としてどう対応していきますか。空地 地域包括ケアシステムを郡市レベルでつくりあげていくことが大事です。それは、病気や障害があっても地域で自分らしく生きられる、そういうことを医療・介護・福祉・地域住民も含めてみんなが協力して支えていきましょうということなんですよ。それこそ県内でも地域地域の実情が違います。医療や介護の提供システムも、人と人との繋がり方も、考え方も違うので、それぞれの地域に合った地域包括ケアが必要になってきます。地域の課題を地域でどう解決していくかが大事ですが、それを県医師会としてサポートしていきたいですね。そのためには医療や介護だけでなく、経済や地域社会、ボランティアなどに造詣が深い大学の先生や専門家などに集まっていただいて、具体的な提案をしていただくシンクタンクをつくりたい。中長期的には兵庫県の医療全体を見て、課題は何か、それをどう解決していくかを考えるシンクタンクにしていきたいですね。 地域包括ケアシステムは郡市単位ですが、地域医療構想は二次医療圏単位なので、この2つの基準をうまく整合させないといけません。地域医師会では二次医療圏単位で考えることが難しい面がありますが、兵庫県医師会ならば郡市単位と二次医療圏単位という2つの見方ができるので、シンクタンクからいろいろ提案ができるのではないでしょうか。─このほか、今後どのようなことに力を入れていきたいですか。空地 ひとつはICTの活用です。兵庫県は広いので、神戸から遠いところの先生は医師会の委員会や講演会、勉強会などに参加しにくいのです。ですからICTを活用して、県下のたくさんの先生が労力をあまり使うことなく医師会の活動に参加できるようにしたい、これは大変大事なことだと思います。私自身も神戸に来るのが結構大変ですが、姫路の会員でも無理なく会長が務まることを示したいという思いもあります。 もうひとつは、医師会のことをもっと県民のみなさまに知ってもらいたい。医師会は病気の時だけでなく、母子保健や予防接種、検診、産業医や校医など一生を通じてみなさまの健康を守るお手伝いをしています。それがなかなか前に出てこず、県民のみなさまには見えていない部分が多いのですよ。国民・県民のために日本の医療を守りたいとも思っていますが、そこもわかってもらいにくいです。ですから広報活動に力を入れ、いろいろなメディアを活用して、医師会のことをもっとPRしたいですね。25
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