KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年6月号
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1997年以降は、天皇陛下、総理大臣の中国語通訳を務め、多くの歴史的な場面に立ち会うことができました。もちろん、重要な通訳はかなりの準備を必要としますし、本番は、文字どおり寿命が縮まる思いです。特に総理大臣の発言は日本政府を代表する発言であり、総理大臣通訳はその一言一言を正確に訳さなければなりません。このため、言葉のみならず、常に内外の様々なことを勉強しなければなりません。 「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」これは孔子の言葉です。勉強でも何でも楽しんだ者が勝ちです。外国語のレベルが上がること、知識が増えることは本来楽しいことなのです。私はいつも楽しみながら勉強をしています。私の中でずっと続いている、アットホームな大学時代学校法人育成学園神戸国際調理製菓専門学校理事長・学校長1983年 英米学科卒業植木 砂織 私は六甲の高台にある旧校舎で学びました。思い出すのはあの油引きの床の教室や桜の木が綺麗だったグランド、校舎の窓から眺める神戸の海。入学してすぐのオリエンテーションの神戸市内一日観光では、バスで六甲山牧場や港巡りまで連れて行ってもらい、とてもいい大学だなあと思いました。しかし授業が始まると、どれもこれも難しくてちんぷんかんぷん、教授も天然記念物みたいな方が多かったです(失言お許しください)。おまけに一コマの授業時間が長く、朝から夕方までみっちり勉強でした。秋の大学祭は最高に楽しく、テニス部の模擬店でわらびもちを作ったり、夜は講堂の一番前の席で、当時はジーンズのサロペットを着てアフロの髪型の笑福亭鶴瓶さんの話に大笑いしました。オール阪神巨人さんを招いた年もあったと思います。私にとっての大学での思い出は、やはりクラスメートや先輩、後輩、学科を越えて親しくなった友達。大学全体の学生数が少なくて、ほとんど全員が顔見知りなのです。 今、神戸で仕事をさせていただいていると、同窓生や大学にゆかりのある方々に出会うことがとても多く、それがすごく嬉しい。あのアットホームな大学時代の青春は、私の中でずっと続いているような気がするのです。26

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