KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年6月号
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模擬国連世界大会ニューヨーク本大会では2つの賞を受賞。久元市長に報告を行った船山 秋の大会開催を希望する世界各国の大学の中から、日本で初めて神戸市外大が選ばれました。今まで参加してきた本学学生たちの実績が評価されたと思っています。今年3月のNY本大会では、二つの賞を受賞しました。学生たちは「国際社会で声を出さない者は存在しないも同然だ」と痛感し、自分の意見をもち、はっきりと述べ、交渉する力を付ける必要性を認識したと言います。控えめな本学学生に刺激を与え、全国の学生たちにも広がり、模擬国連で活躍できるまでに鍛え抜かれたチームが増えることが、国際社会での日本人の弱さを改善するきっかけとして役に立てるのではないかと考えています。久元 さまざまな民族・文化・宗教的背景をお互いが認め合う伝統があるといわれる神戸も含め、日本は非常に同質性が高く99・9パーセントが日本語を話し、空気を読む「阿吽(あうん)の呼吸」が支配的です。明確な言語的手段を駆使する必要のない状況に置かれた国は、今や世界でも例外的です。日本人が国内で取っている行動様式を国外で取っていては、グローバル社会ではまさに「存在しない者」になってしまいます。意見が違う人たちとの交渉は比較的簡単かもしれませんが、全く知らない異質な人々とコミュニケーションを取るには経験を積むしかありません。そういう意味で模擬国連は有意義な機会だと思います。―最後に久元市長から今後の神戸市外国語大学に向けてのエールを!久元 神戸市は設置者としての責任をできる限り果たしていきます。市民の税負担で支えられているわけですから、卒業生が各界で〝きら星〟のごとく輝き、市民に対して存在感をアピールできれば、それが教育環境の向上や外大の発展につながります。この〝好循環〟がうまく働き、グローバル社会で縦横に活躍する力強い人材が巣立っていってくれると期待しています。※「模擬国連」とは、実際の国際連合の会議をシミュレーションする教育活動で、参加者は割り当てられた国連加盟国の役割を担い、その国の利害を代弁し関係国外交団との交渉・議論を行い、問題解決への合意形成を図る。世界中で開催されている模擬国連の中で最大規模の大会が「NMUN(National Model United Nations)大会」で、毎年春にニューヨークで実際の国連本部施設を使用して約5千人規模で開催され、秋には世界各地の大学がホスト役を務めて開催される。17

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