KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年6月号
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た先人たちの熱意をまず伝えたいと考えていますが、必ずしも神戸の大学を卒業したのだから神戸で活躍してほしいというわけではありません。深い見識と素養を身に付けグローバル社会で幅広く活躍してほしいという願いをもっています。―深い見識と素養とはどういうものでしょうか。久元 言語にはそれぞれ、民族が担ってきた歴史、思考様式、価値体系があります。それらを極めた上で、自分なりの幅広い視野をもち、グローバル社会を俯瞰する能力が必要です。私たちの世代は、米ソ冷戦の中で学生時代を過ごしてきました。当時は、冷戦が終結すれば平和な時代が訪れて全てが解決すると考えられていました。ところが現実にはそうはならず、地域紛争、宗教的対立が頻発、悪化しています。学生はこの混沌とした時代に、世界へと船出していきます。大学生活の中で自らを鍛え、強靭さを身に付けなくてはいけません。グローバル社会で〝たくましく〟行動する国際人育成を―時代のニーズに応えての取り組みのひとつ、「国際コミュニケーションコース(ICC)」とは?船山 コミュニケーションのプロセスを研究し、かつ実践的に言葉を使う力を付けるという目的で2009年に開設されました。1学年定員430名の中から面接、グループディスカッション、ICC志望動機のレポート提出のほか、TOEICの点数なども加味して、2年次から20名を選抜します。〝外大の中のエリート集団〟と位置付け、大学全体をけん引する存在になることも目的のひとつとしています。今のところは英語と日本語を駆使できることが期待される就職が多いようですが、今後は、グローバル社会でもっと幅広く活躍できる人材育成を目指したいと考えています。―神戸市役所での活躍も期待できますね。久元 外大卒業生を単に翻訳・通訳業務に特化した部署に配置するのでは組織自体が伸びません。それぞれの分野でリーダー的な役割を果たす人国際コミュニケーションコース(ICC)は船山学長が開設した入学式で新入生にメッセージを贈る久元市長14

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