KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年5月号
45/56
今回私のイチオシは、昭和8年に開園した「六甲高山植物園」です。 標高865mに位置し、神戸市街地との気温差はおよそ5、6℃。夏は涼しく、冬は雪が積もることもある冷涼な気候を活かして、日本や世界の高山植物を中心に約1500種を植栽しています。 4月下旬から6月にかけて一斉に花開くロックガーデンは、高山の岩場を再現し、自然に近い状態で鑑賞できるように工夫されています。背丈が10㎝にも届かない小さな植物たちですが、可憐に見えて実はとてもしたたか。雪や強い風など、厳しい環境で生き抜くための様々な知恵に感動させられます。スタッフの園内ガイドに同行して、そんな植物たちの知られざる魅力を聞くのも楽しみのひとつ。 ブナやカエデが立ち並ぶ樹林区もおすすめです。初夏は新緑がまぶしく、夏には天然のクーラーのような涼しさ、秋には紅葉に目を奪われるなど、季節ごとに移ろう風景を楽しめます。 たくましく生きる植物たちの姿を見ていると、いつも新しいエネルギーをもらったような気がします。■六甲高山植物園神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150 TEL:078-891-1247開園期間:2016年11月23日(水・祝)まで開園:10:00~17:00 (16:30受付終了)入園料:中学生以上620円/4歳~小学生310円 休園日:2016年9月1日(木)・8日(木)“ヒマラヤの青いケシ”と呼ばれる「メコノプシス・ベトニキフォリア」はヒマラヤの秘境に咲く希少な花。5月に見ごろを迎え、園内でも人気が高い秋になると、標高の高い六甲山では、市街地よりも早く紅葉する愛らしくもたくましい植物たちに出会う「六甲高山植物園」森下 絵里 さん六甲山観光株式会社営業企画室桃色の愛らしい花と、約1mにもなる長い根をもち、日本の高山植物の女王と称されるコマクサ。5月~6月に高山帯を模したロックガーデンで見ることができる六甲高山植物園六甲山上駅私のイチオシ 神戸45
元のページ