KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年3月号
34/46

淡路市 仁井公民館 元・館長人形寺 祥弘(にんぎょうじ よしひろ) 兵庫県50名山に数えられる常隆寺山は、伊勢の森の頂上として知られ、周辺の森は原生林でスダジイ、アカガシ、ヤマボウシの群落(県天然記念物)など豊かな自然に包まれています。山頂からの眺めは素晴らしく、瀬戸内海の小豆島・家島が見え、反対の大阪湾側は明石海峡大橋から遠く和歌山・友ケ島を遠望できます。 淡路の名刹・常隆寺は、高野山真言宗の寺であり、奈良時代後期の天平宝字8年(764)に廃位となり淡路に流された淳仁天皇が、父の舎とねり人親王のために創建し、僧常隆法師の名をとって常隆寺としたと伝えられています。また桓武天皇の弟・早良親王が延暦4年(785)に皇位継承紛争で淡路に流される途中に亡くなり、御遺骸が淡路の仁井に埋葬された当時、都では天変地変・悪疫が蔓延。これらは早良親王の祟りであるとして、その霊を鎮めるため、延暦24年(805)、桓武天皇は勅使を当山に派遣して勅願寺とし、七堂伽藍を建立、本尊を安置されたそうです。早良親王の祟りを鎮めるため、延暦24年に桓武天皇が勅願寺とした常隆寺私の淡路島■常隆寺淡路市久野々154TEL.0799-82-0451常隆寺周辺の伊勢の森は、スダジイやアカガシなどの豊かな原生林が広がる常隆寺は、淡路廃帝・淳仁天皇が、天平宝字8年に父の舎人親王のために創建した伊勢の森の頂上から眺める絶景奈良時代より続く淡路の古刹北淡IC34

元のページ 

page 34

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です