KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年3月号
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今回の松帆銅鐸の発見により、銅鐸に関する重要な論点のうち3つの点において、解明や研究の進展が期待できそうです。まず、銅鐸の具体的な使用方法がわかるかもしれません。2番目は銅鐸がいつ埋められたのか。今回は銅鐸にひもがついており、こういう有機物を理化学的に分析することではっきりわかるのです。3番目には銅鐸が多数一括で埋められた意味の解明です。 今回の松帆銅鐸は、舌ぜつが出土し松帆銅鐸から何がわかるのか「松帆銅鐸から何がわかるのか」。本格的な調査を前に、奈良文化財研究所 埋蔵文化財センター長の難波洋三さんは、謎の多い銅鐸を解明する上で、今回の発見に大きな期待を寄せる。難波 洋三(なんば ようぞう)1955年生まれ。京都大学工学部を終了後、同大文学部へ編入して考古学を専攻、大学院博士課程を修了。京都国立博物館勤務を経て、独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所 埋蔵文化財センター長。主に弥生時代の銅鐸を中心とする青銅器の研究に携わり、銅鐸研究の第一人者。4月より発足の松帆銅鐸調査研究委員会 委員ています。また、銅鐸は鳴らすために舌が当たる部分が盛り上がっているのですが、そこがすり減っていました。ですから何回も鳴らされ使用されてきたと思われます。 出土時の入れ子状態の松帆銅鐸をCTスキャンで解析したところ、大きい銅鐸と小さい銅鐸の間に挟まって舌が見つかりました。おそらくそれぞれの銅鐸にひもでくくりつけた状態で入れ子にしたのでしょう。青銅の成分が溶け出し腐食を防いだようで、実際に取り出すと紐が残っていて感動しました。また、草の葉もくっついていました。 舌を下げる紐は三つ編みのように編まれた組紐を使っていました。また、ひもの痕跡を解析したと南あわじ市埋蔵文化財調査事務所の定松佳重さんによる経過報告難波 洋三 さん独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 埋蔵文化財センター長感謝状と銅鐸のレプリカを進呈された、マツモト産業㈱会長の松本康宏さん26
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