KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年3月号
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 邸宅文化の継承を象徴するのは、外構の石積みだ。これはもともとこの地にあったお屋敷のもので、古き佳き時代の香りを今に伝える。さらに「経年美化」という発想で、建物のフォルムや外壁の素材は華美さを求めず、歳月ともに風合いを深めるものを採用している。 植栽は、暮らしにやすらぎを与えてくれる「経年美化」の重要な要素である。常緑樹や落葉樹、高木や低木、あるいは下草などを組み合わせ、四季を通じて新緑、紅葉、花、実などが楽しめ、季節の移ろいも充分に楽しむことができるよう、植栽計画を考えている。また、「3本は鳥のために、2本は蝶のために」をスローガンに、鳥や蝶などが好む樹木を選定。自然を身近に感じることで、潤いのある暮らしを大切にしている。 四季を感じるアプローチから、内と外との境界で少しずつ場面が転換し、私的空間へと誘う。エントランス、エレベーターホール、玄関という3つの顔は風格と品位を兼ね備え、連続性と高揚感のある空間デザインに仕上げられている。帰宅するたびにドラマチックで、我が清冽な芦屋川の流れが、暮らしに潤いをもたせてきた山芦屋の自然に同調するかのように設計されている。「グランドメゾン山芦屋」外観完成予想図邸宅文化の継承を象徴するため従前地石積みの一部を保存。「グランドメゾン山芦屋」外観完成予想図10

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