KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2016年2月号
29/46
戸空港の現状なのです。10年を経て大きく変わった社会の状況に合わせた運用を考える―関西には3空港がありますが、役割分担についてはどうお考えですか。上村 現在の3空港の役割分担は主に行政の視点から決められたものです。これを取り払って、利用者の視点で決めるべきです。神戸や近隣の人たちは、近くに空港がありながら、発着回数や運用時間がなぜ限定され、国際便をなぜ利用できないのか。それは行政が決めた枠組みの中で空港が運用されているからです。本来ならば、航空機を飛ばしてみて需要があれば継続し、なければ見直すという市場原理に任せるべきです。10年以上前に決めた役割分担が、いろいろ事情は変わってきた今もそのままでいいのか?利用者目線で役割分担を考え直す時期ではないでしょうか。―3空港一体運営については。上村 利用者目線で考えた場合、ベストなのは3空港一体運営だと私は思っています。複数が集まったほうが資源配分の自由度が高まります。航空会社への交渉力も高まり、運用コストの低下も可能でしょう。関西・大阪の両空港は4月から民間の運営が決まっています。利用者の視点が取り入れられ、規制緩和に前向きになるでしょう。神戸がそこに加わり、3空港一体運営になるのかは今後の課題ですが、それも一つの方法だと考えています。―神戸空港の今後の動向にも注目していきたいと思います。ありがとうございました。①資源の再配分が行われ、3空港の航空・ 空港サービスの供給可能性が広がる。②規制緩和が進めば、利用者の増加につ ながる。③3空港で需要の食い合いが生じたとして も、LCC化やインバウンドの増加によっ て、相当程度減殺が予想される。④民営化により、利用者の目線で運用が可 能神戸空港大阪国際空港関西国際空港【3空港一体運営のメリット】29
元のページ