KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年9月号
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限りませんし、‐何もミエをはってまでして挙式する必要はないから自分たちの結済力に合わせた身分相応な式をなさればいいんです。ごく親しい人だけの内輪同士の式でも、会費制であっても、いいしい無宗教の合理化された結婚式で、しかも華麗なる結婚式の演出をもっともっとたくさん考えればいいと思いますね。会費制の結婚式に二、三出席しましたが、いずれも簡素ということにウエイトがかかりすぎてるんですね。たしか健淋しいんですょなぜもっと美しく演出ができないんだろうかと思いましたね。アイディア一つでうんと華麗な思い出深い式が挙げられるはずですよ。会費制の一つのアイディアとして、どうせ会費をとるのならうんとたくさん集めるんですよ。そしてお祝いはいっさいなしという約束をして、会費百円のところを五百円とか千円ということにします。その集まった会費の中から三万円なら一一一万円を浮かして、本人の希望するお祝いのセットを買えば、品物が重なるということばないでしょう逆に欲しいセットを考えておき、それが仮りに十万円するものなら十万円があがるような会費制計画をたてて、百人とか二百人とかいう会費制をとってもいいんじゃないでしょうか。(ここで服部先生から会費制の結婚で、ドラマティックに演出され好評だった東洋紡の人たちの結婚式の模様や、本職の裁判官が憲法二十四条婚姻の条法をノリトのかわりに読承、小野十三郎氏が詩の朗読をされたという大阪での新らしい形の結婚式の話が出ました)三木僕たちは披露の方に重点をおいてます。むしろ式そのものははぶきたいぐらいなんです。それより友人、先輩に結婚をしたということを知ってもらいたい。なかば飲承食いの会のようにしたいな福富結婚式はどうでもいいという考えもあるけれど、子供ができると案外、コンプレックスのようなものがあって〃式を挙げてればよかった″なんて後悔しないとも1311(左より松本・加納/三木・佐藤各々恋人トリオ元町エーワングリルにて)しまた両親が何もかもやってくださるというようなら盛大な披露宴をもってもいいでしょう.あくまでもその人の立ち場と環境に応じた無理のない方法をおとりになれば・・・あまり背のびしすぎて、かえってあと味の悪い思いの式はやらないことですね。福井そういう心構えが大切です加納もうダンス、長持ち式はやめた方がいいですね第一、団地などでは入いりませんもの。服部そう、家具類は結婚してから二入で相談して買えばいい。福富親の一種のミエともいえる〃荷かざり″は、廃止したいですね。それに道具類は二人で揃えるのが楽しいんですから、結婚してから必要に応じて買えば:・・それより実用的なものを持っていくことですね。洋服などもよく二、三着新調される方がありますが、むしろ服地のままで持っていく方がよいでしょう。さし当って不必要なものはやめ、むしろ貯金しておかれたほうがいいわね。新婚族行佐藤先輩の方にききますとね、和服の人はとくにそうでしょうがオチオチ物も食べられないような状態で、式のあと旅に出ると、クタクタになって、せっかくの新婚旅行が一つも楽しくないっておっしゃるんですが…福富普段と違ってやはり、そんなに満足に食‐〈られないでしょうね(笑)旅に出る前に軽く食事をしなおすとか、時間がなければ、サンドイッチやおすしを持っていくという心づかいはいりますね。

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