KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年9月号
34/60

る困るで避妊ばかり気をとられていると先に後悔することが起るかも知れませんからね。松本正しい家族計画とは、どういうものですか。』福井私はこう思っています。家族の誰もが幸福てあるような家庭をつくるためにはどうあるべきかその合理的な方法、これが正しい家族計画のあり方であるlとね.丁度富士の頂上に登るのに一人の落伍論も怪我も出さないように道を選ぶのと同じです.家族計画運動が避妊にぱかり熱心になりすぎて他を顧えりみなしのは岸寄伽すぎくると思います.ただ結婚してから家族計画では数という問題だけですね。子供の質という点から臆結婚前から考えねばならないでしょう.服部先生のおっしゃるように家族計画は大切ですよ、いわゆるお茶やお花などのおけいこ事でなくむしろ家族計画は花嫁修業の中に入ってくると思いますね。花嫁修業のおけいこ事といえば、お茶、お花、和、洋裁、料理l僕はこれを五点セットといってるんですがこのうち洋裁を除くおけいこ事のカリキュラムというのは江戸時代から続いているんですね.世界中どこの国を調べても三百年も、三世紀にもわたって花嫁が同じコースで修業してるところは余りないんですね.鶴見俊輔氏は、そうしたおけいこ事を〃ふゑ絵〃だといってます。日本の家族制度の古き家の門の前に立って、そこで適格検査をされる。するとそこでお茶やお花をやっていれば家族制度を破壊する危険性がないという意味になるというんですね。とあれは全部〃婦道″に通じているんですね。華道、茶道の道は婦道の道に通じるんですよ。そして家族制度のもとでは忠実なるお嫁さんになるという一つの道なんです。だから〃ふゑ絵“というんでつまりお茶やお花をやってれば組合活動にも歌声にも参加しなかったl進歩的な場にいなかったことのアリバイになるんですね。もう一つは、おけいこ事というすね。その〃ふゑ絵″を一度ふんで致せないと家族制度の門は閉ざされるんだと…。だけどもうそんな〃ふゑ絵″の時代はすぎましたよね。そうしたものにかわる何か新らしいおけいこ事、例えば計画産児とか、生活合理化に関する問題などいろいろあると思いますが…福富ほんとうですね.お茶やお花侮娘時代でなくても、結婚してから暇を承つけてやろうと思えばできますからね。生活の合理化とか、世の中のことを知る勉強をされる方が大切でしょうね。佐藤お茶やお花はあえてしなければならないものじゃないし、知らないということは、知らないではっきり言って通した方がいいと思いますが。服部もう、それでいいですよ.挙式と披露加納・松本未来の子供たちのために二人だけの写真をとるだけであとは挨拶状だけを配ったらいいなんて思ってたんです。一番かんたんですし、ほんとうはそうしたかったんですけどね。服部照宗教で簡単にという方たちは、さいきん多い会費制の結婚式でおやりになれば…松本簡単でいいんだけど、この場合は、家の者が親類の手前もあるっていうことになりましてね服部なぜ家の人が反対するかといえば、へ.理主義生活運動の中の結婚式というのは大へん粗末でミミッチィという観念があるんですね。何も昔風の結婚式が盛大な結婚式じゃないでしよ。だから新ら(アドバイス側は左より服部・福井・福富各氏)1301

元のページ 

page 34

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です