KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年9月号
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婚約期間中の予備知識福富健康診断書の交換はぜひやっていただきたいですね。福井レントゲンとか血液検査ですね。それから自分のからだに結婚や妊娠に関して、じゃまになるような障害がないかというこの検査も。これはできれば少くとも挙式の一カ月位前がよろしい。大抵の治療はこれ位の日数をゑておけば式までには十分治療をすませることができますから。服部僕は、興信所などを通じて相手の家系に精神病の系統があるかどうかを知る必要があると思います。といいますのは、ウソをついているとかいうのでなく、精神病の系統のあることを本人でも知らないことが多いと思うんですよことに分裂症が近親にあった場合は考えないといけないと思うんです。別に婚約を解消しなくても、何かの覚悟のようなものは必要だから…福井結婚前に正しい家族計画をたてていただきたいですね。家族計画とは生承方の工夫であると説明しています。受胎調節という言葉も使われますがよい言い方だと思います.しかし実際にはそれが正しく受けとられていない例えば、家族計画とは避妊のことだと思っている人が多いんですひどいのになると人工中絶も家族計画と心得ている。全く邪道も甚しいことです。子供のない家庭が全国で約一割あります。これが家でなしに社会的に一つの確認をするという意義があると思うんです福富形式的な仲人さんより、服部先毛のいわれるような証人、それもできれば両方に共通の友人があればその人に頼むのが理想ですね。もめごとがあった時に、仲に入ってくれる人がある方がいいですからね。服部お二組のようなのは別としても、婚約中にいろんな問題や、また解消ということもあり得ることでしょう。そういう時に両方が社会的に責任を負うということをはっきりさせておく必要がありますよ。結納はそういう意味で若干の拘束力があったわけなんですね一方的な婚約破棄による慰謝料の請求の時に、結納を取りかわしているかどうかということが非常に大きな問題になるんですよ。そういう意味で、変なことをいうようだけど、人間と人間の契約だから本人同志が納得してるからそれでいいというんではどちらかが心変りして何かゴタゴタのあった時には、社会的にそれを証認するものは何もなくなりますからねやはり家庭裁判所でそういう時に証認してもらえる人があった方がいいというのが僕の大へんドライな考え方なんですよ。家裁で実際に調停になった時は結納を取りかわしていないからこれは婚約してなかったという判決を下す場合が多いですね.はたして友人や、恩師が立ち会ったから社会的に確認するのがいいんじゃないでしょうか。その人たちの好玖で声明書を出すのもいいでしょう。大体婚約ということの意義は当事者だけの約束ということだけってどれだけの効力があるかわからないけどね。福富むしろ親が反対しているような時こそ、誰れかに立ち会ってもらうことが大切でしょうね。いますと…福井男の人にその気がないとかう不満は始終きかされます.中絶手術は恐ろしいものだという宣伝が機会ある毎に行なわれています子供がないとまず女の責任のようにいわれる.避妊は女のエチケットだなどと世間ではいっています家族計画はまるで女の犠牲は当り前ゑたいなあり方なんですね。どこの家庭もそうだというのではありませんがI。とにかく家族計画では女はぶの悪い立場にあり、年中びくびくしています。明かるい積極性のあるものということは、受胎調節が家族計画とかわった時の指導精神もそうだったのですが、実際にはなかなかそうはいってないのです。こういうあり方の家族計画を正しい方へ引き戻すこと、それには男の理解と協力がほしいですね。これを婚約時代にとりつけておけばいい(笑)忘れたら必ず損をするという結婚前の準備としてね(笑)福富・服部それは大切ですね.加納子供は何人が適当ですか。福井統計でふてもそうですし、実際伺って承ましてもこl三人が多いですね.一方結婚して二年経っても妊娠しない時は不妊ではないかと疑ってふます.といいますのは当初の二年間に九十%前後は妊娠するからです。ですから子供が生まれては困る方でも避妊は一応二ヶ年で打ち切って不妊の原因がないか調べて承るんですね。困族計画運動では全くといってよい程顧承られてないでしょう。今の家族計画はうっとうしく、明るさがありませんね松本うっとうしい家族計画とい1291

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