KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年8月号
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15Iげたのは、いや落したのは、暴投をもって鳴る私にもこれが始めてだ。むかし早稲田総長の大隅さんが、始球式のとき、タマを握った手を振りあげたトタン、タマが体のうしろに落ちてしまった。これでもストライク/だったという話は有名だが、これとならび称せられていい珍始球の光栄を担うこととなったわけだ。あとでゑなが審判員の責任だなどと言っていたが、責任もへちまもない、始球は緊張した議会の始まる直前に、観衆の気分をやわらげる作用のあるものだから、愛嬬のあるタマの方がいいかも知れない。××××ラジオやテレビなどで「こちらは大阪甲子園球場でございます」ということがよくある。兵庫県民のなかにはこれを以前から憤慨しているものがずいぶん多い。いうまでもなく、甲子園球場は、兵庫県西宮市のどまんなかにある球場だから、当然〃兵庫甲子園球場″とか〃兵庫県甲子園球場″とかいわねばならないところだ。そこでいつだったか放送局に抗議したことがあるが、その返答には一理屈があった。兵庫という文字で見ると分りやすいが、声だけでヒョウゴときくと、ちょっとわかりにくい。外人などは国里品○丙のロをヒヨウゴケンといわないで、ハィオーゴヶンと読ゑたがるらしい。水を意味するハイドウロ国乱8を始め、国署はハイと読む方が圧倒的に多く、上と読むのはごくわずかである。だからやむなく聞きやすいオオサカ甲子園球場といわせていただいているのです…と念のいった説明だったが、;飛行場の面積の八割までが兵庫県伊丹市にありながらオオサカ空港といわれて承たり、ともかくヒヨウゴという名称で兵庫県はだいぶ損をしている。先年、渡米したとき、私は自己紹介のとき〃神戸県知事″で通した。その方がわかりやすくていいと思ったからだ。神戸市長とどんな関係にあるのかと時々質問されたが神戸市長は私の部下で神戸県のなかの一都市にすぎ

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