KOBECCO(月刊 神戸っ子) 1961年7月号
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〃旅ざんまい″といったようなテーマで何か一筆というご注文だ。旅ざんまい?旅ザンマイ?はてな、旅ザンマイ…色ざんまい、酒ざんまい、念仏ざんまい…さんまい(三味)とはおそらく仏教から出たことばだろうが、まあ若山牧水なんていう歌人を旅ざんまいの行者とでもいうのかななどと考えていると、芦屋の詩人、吉沢独陽から電話がかかってきた。東京から永井叔がやってきたから、これから行く、在宅していてくれとの連絡だ。ある日曜日の朝の話。そこでハタと膝をうった。永井叔とは、人も知るかの〃青空の詩人″だ。マンドリンを弾きながら全国を放浪して歩く自然詩人。いままで二、三度会ったことがあるが、この奇人などがまさしく旅ざんまいの行者とでもいうべき人物なんだろうと気がついた。また、失礼ながら、美しく健全な意味で、富田砕花さんなども、そのひとりであるかも知れない。旅ざんまいえ阪中本西151勝勝

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